Wharton MBA (Class of 2009) 有志による「刺激」を共有する場
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倫敦はJermyn Streetにて(おにゃお)

『シティでは損をする投資家が増えている
今朝来た新聞の片隅に書いていた
だけども問題は今日の下げ
買いがない

売らなくちゃ アイスランドを売らなくちゃ
停止前に売らなくちゃ
下げ続け

テレビではマーケットの将来を
深刻な顔をしてしゃべっている
だけども問題は今日の下げ
買いがない』

などと、懐メロ(井上陽水の『傘がない』)の替え歌をしている場合ではありません。

10月10日金曜日のロンドンでは、
パニックを通り過ぎて、
諦めたような静けさが漂っていました。

その日のミーティングが早く終わったため、
思い立って、Jermyn Streetに向かうことにしました。
この通りにあるHilditch&Keyというお店で、仕事用のシャツを求めていたからです。

つい最近までの途方もないポンド高で、メールオーダーを2年間控えていたのですが、
不況に伴う季節外れのセールとポンド急落で、倹約家のおにゃおにも、チャンス到来。

Hawes&CurtisやPINKと比べて、デザインはずっと地味ですが、
Hilditch&Keyのシャツは、何度洗っても、型崩れも色褪せもしません。
生地選びと仕立てで、決して手を抜かないこと、
店員さんの対応がきっちりしていることにおいては、
他店の追随を許しません。
綿なのに、シルクのように滑らかなシャツに腕を通すと、
気持ちが引き締まって、背筋が伸びます。

夕日が射す小路を歩いていました。
道端で売っている夕刊の見出しには"Black Friday"と出ています。
金融市場は、世界経済は、どうなっちゃうんだろう。
仕事用のシャツを買う以前に、来年働く場所はあるのだろうか。
思考回路が麻痺していくような感覚を味わっていました。

その時です。

「おにゃおさん?」

一瞬、空耳かなと思いました。
目の前には、東京にいるはずの元上司が立っていました。

「あれ、フィラデルフィアで勉強してるんじゃなかったっけ?」

天網恢恢疎而不漏。
いや、別に悪いことをしているわけじゃないんですけれど。
一体、なんという確率だろう、こんなところで遭遇するとは。

元上司とは、8月下旬に、米国西海岸のインターン先で鉢合わせしたばかりでした。
偶然の再会も二度も重なると気味が悪くなってきます。
おにゃおは、元上司に、ストーカーだと思われているのに違いない。
元上司も、危なっかしくて出来の悪い部下が心配で、GPSをつけて、
追跡調査しているのに違いない。多分。

ええ、学校が今週末は休みで、金融危機の調査に来ているんです。
ついでに仕事用のシャツの買出しに来ました。
仕事を決める方が先なんですが。
あはは。

その夜、元上司は、私のインターン先のマネージャーと、夕食を一緒にするとのこと。
ニューポートビーチにいるはずのマネージャーも、ロンドンにいるとは思わなんだ。
無礼を承知ながら、夕食に飛び入り参加させていただくことになりました。

その夜、夕食の席では、日本の過去の金融危機対応から、
G7での検討課題、アイスランド危機、
米国のデフレの可能性、
MUFJのMorgan Stanley支援まで、
幅広い話題に会話が及びました。

7年前、内部コンサルティング部から経済調査部に転籍しようか迷っていたとき、
元上司が掛けてくれた言葉を思い出していました。

「あなたは医療問題、病院経営に興味があるそうですね。
経済・債券調査部の仕事は、あなたの関心とは少し違うかもしれませんが、
エコノミストは、国家の経済を診断し、処方箋を書く仕事です。」

金融危機にこそ、優秀なエコノミストの処方箋は活きるはず。
実は、米国ポールソン長官の下で、金融危機の対処に当たっているのは、
副長官Neel Kashkari、弱冠35歳のWharton Alumです。

お客様のどんな質問に対しても、
綿密なデータ分析と豊富なエピソードを交えて、
自由自在に自分の論理を展開する元上司の背中を見ながら、
今度はエコノミストと上質なシャツの共通点について考えていました。

世の中の大きなトレンドに敏感であること、
しかし、その中で、自分のスタイルを堅持すること。
従来の伝統を踏まえた上で、新しい付加価値を提供すること。
お客様にぴったりと合ったサービスを提供すること、
一方で、細部まで自分らしいこだわりを忘れないこと。

今回のサブプライム問題は、
金融業界が、お客様とのフィットを無視した金融商品を提供したところから、
綻びが出ました。
きちんとリスクを算定し、
お客様に媚びることなく、合わないものは合わないと、
ハッキリと言う勇気を持っていたら、
金融市場がズタズタに裂けることはなかったはず。

Mayfairのレストランを出たときには、夜11時を回ろうとしていました。
元上司がタクシーの中から手を振ってくれました。

「今度は東京でお会いしましょう」

ええ、どこかの街の小路で、また鉢合わせしない限りは。
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by whartonjapan09 | 2008-10-16 13:27 | おにゃお
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