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Wharton MBA (Class of 2009) 有志による「刺激」を共有する場
by whartonjapan09


Wharton Health Care Business Conference終了(おにゃお)

半年近くかけて準備を進めていた、
Wharton Health Care Business Conferenceが、
お蔭様で昨日、無事終了しました。

一昨日は、
経営学の「神様」Michael Porter教授と、
ハーバード医学部および公衆衛生大学院Jim Young Kim教授が、
Global Healthをテーマに基調講演を行いました。

先進国が発展途上国の医療改善にどのように関わるべきか、という、
とても大きなテーマです。

アフリカでのHIV/AIDS・結核対策を例に挙げて、
政府・NGOなどの各団体の利害を超え、
病気の種類に応じた個別対応ではなく、
予防・治療・看取りを統合的に考え、
インフラ整備も含めた広範なアプローチが必要、
とのメッセージでした。

医療政策の統合的アプローチ、という考え方が、米国で必要だということが、
昨日のVon Eschenbach米国医療薬品局の基調講演でも、
繰り返し強調されたのは、大変興味深かったです。

予防医療政策に関しては、日本が他国より先行しており、
世界的にも注目を集めています。
職場での健康診断義務化がされており、
メタボリック・シンドロームに対する対策が始まっています。

さて、私が担当していたHealth Care Servicesパネルでは、
医療におけるIT革命がテーマでした。
米国でも、電子カルテの導入は遅れており、
ITは、診療代の請求・審査を中心に使われ、
患者の健康管理にはあまり活用されていません。
パネリストには、
IPOしたばかりのAthenahealthからはCEOのJon Bush氏、
医師としてビジネスを起こしたMedAssurant CEOのDr. Keith Dunleavyらを迎え、
ビジネス的観点から、ヘルスケアITの応用可能性について議論されました。

パネルの最中に、Duke大学から来ていた知人が
「このパネル、いいねえー!!」とテキスト・メッセージが携帯電話に届きました。
パネルの終了後も聴衆の熱心な質問は終わらず、
御厚意で残られたDr. Dunleavyが、最終コメントを終えた時には、
終了予定時刻を1時間以上も過ぎていました。

会場を出る際、パネル・ディレクターの我々学生に対して、
力強いメッセージを残されたのが印象的でした。

「僕は、病院で欲しいサービスを自分で作ろうと思って、
ヘルスケアの質評価の情報提供ビジネスを始めたんだ。
最初は家の寝室の片隅で立ち上げた会社が、
今では地域の最大の雇用者になっている。
現在のヘルスケアITは、1994年のインターネット・ビジネスのように、
爆発的に拡大する前の、大きな可能性を秘めているんだ。
君たちには、決して現状に満足してほしくない。
自分の天井を設けた時点で、君たちの成長は止まる。
Life is too funny.何でも挑戦してごらん!」

このカンファレンスは、朝から続いた雪にも拘わらず、
800人を越える参加がありました。
スポンサー企業のご支援、Whartonヘルスケア専攻卒業生ネットワーク、
ペンシルバニア大学医学部や教授陣の協力があってこその成功でした。
ご協力くださった皆様方に、この場をお借りして御礼申し上げます。

成功裡に終わった昨夜は、担当した学生で盛大に打ち上げがあり、
来年も頑張ろうね、と言い交わして家路につきました。
今週末は、ようやく枕を高くして眠ることができます。
by whartonjapan09 | 2008-02-24 01:44 | おにゃお
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