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医療の高度化の功罪は? (doc)

docです。

最近、頭の中身が自分の専門分野(であるはず)の医療から遠ざかり、すっかりMGECやらMKTGやらSTATやらに染まってしまっていたので、ここらでちょっと医療関係のネタについて触れてみようかと思います。

「医療の進歩(高度化)は、絶対的に望ましいものである」

この命題について、皆さんはどう思われますか?

わざわざ “絶対的に” という限定的な形容詞を付けているからには、私が「否」という答えを用意しているということは、幼少期から日本の試験に慣れ親しんできた皆さんならすぐにお気付きになる事と思います。では、医療の進歩が手放しに礼賛されないのは、一体どういう理由に依るものなのでしょうか。

実は理由なんていくらでも挙げられるのですが、今回は医療経済的な側面から簡単に論じてみたいと思います (別に、私は医療の発展に反対しているわけでは毛頭ありません。念の為)。

医療費の高騰の原因について、医療経済学の世界では既に一つのコンセンサスが得られています。それは、「医療の進歩(医療技術の高度化)こそ医療費を上昇させる最大の要因である」という事です。

日本では、一時期(今でも?)「高齢化の進行、高齢者人口の増加」こそが医療費を上昇させる最大の原因であるという世論が(実は厚生労働省主導で)形成され、“高齢者は社会の負担” というような考え方が世間において見受けられた時期がありました。
確かに、高齢者一人あたりの年間医療費は若年者のそれと比べて何倍にもなるのですが(正確な数字は失念してしまいましたが、確か7倍くらいだったと思います)、仮に「医療技術の水準が過去数十年間で横ばいであった」と仮定すると、この数十年で高齢化は着実に進行したにもかかわらず、医療費自体の上昇傾向は実際のそれと比べて遙かに緩やかになると試算されるのです。
逆に、医療技術の向上が実際のように認められたとすると、仮に「高齢化が過去数十年で全く進行しなかった」と仮定しても、医療費は(現実の値ほどではありませんが)大幅に増加してしまうと試算されます。
年々医療費が上昇していくことの原因として高齢者を一方的に非難する事が非常にナンセンスであるということは、このように医療経済学的にも立証されているのです。

この数十年、医療技術の高度化→治療できる病態の増加 (volumeの増加)+単一治療あたりにかかる費用の高騰 (unit costの上昇)となり、加えて医療費の価格硬直性(市場のメカニズムが殆ど働かない)や、医療の平等性を担保するための政府による低所得者への補助制度などのこの業界特有の事情と相まって、あれよあれよという間に総医療費は膨れあがってしまいました(とは言え、日本の医療費の増加率は他国、特にアメリカに比べるとおとなしいものですが・・・)。
国(国民)が医療に費やすことの出来る資源には当然ながら限りがある以上、各医療行為のcost-effectivenessを試算した上で、よりeffectiveなものから優先して医療費を割り当てていく(すなわち、保険適用とする and/or 保険による負担率を高めに設定する)というようなアプローチが必要とされる時も案外に近いのかもしれません・・・。
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by whartonjapan09 | 2007-10-02 10:00 | doc
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